アルカリ電解水はカビに効く?予防効果と正しい使い方

「アルカリ電解水でカビは落とせるの?」 「カビ予防に効果があるって聞いたけど、本当なの?」

お風呂やトイレ、エアコンなど、家中のあらゆる場所で発生するカビ。 放置すると見た目が悪いだけでなく、健康被害を引き起こす危険性もあります。

そんなカビ対策として注目されているのが、アルカリ電解水です。 環境にやさしく、二度拭き不要で手軽に使えることから、掃除アイテムとして人気を集めています。

結論からお伝えすると、アルカリ電解水にはカビを直接死滅させる効果はありません。 しかし、カビの「予防」には非常に高い効果を発揮します。

この記事では、アルカリ電解水がカビに効く理由、場所別の正しい使い方、効果が出ないケースの対処法まで詳しく解説します。 カビの発生原因や健康被害についても触れていますので、ぜひ最後までお読みください。

アルカリ電解水はカビに効くのか?結論を解説


まずは、多くの方が気になる「アルカリ電解水はカビに効くのか?」という疑問にお答えします。 結論と理由を明確にお伝えしたうえで、正しい活用法を解説していきましょう。

カビ菌を直接死滅させる効果はない

アルカリ電解水には、カビを直接死滅させる効果はありません。 この点を理解しておくことが、アルカリ電解水を正しく活用するための第一歩です。

カビは「真菌類」に属する「糸状菌」という微生物で、pH1〜10の環境で生息しています。 一方、アルカリ電解水のpH値は12〜12.5程度と非常に高いアルカリ性です。

この数値だけを見ると、カビの生息範囲を超えているため「カビを殺せる」と思われがちです。 しかし、アルカリ電解水をスプレーしても、根を張った黒カビを完全に除去することは難しいのが実情です。

なぜなら、カビは表面だけでなく素材の奥深くまで菌糸を伸ばしているからです。 アルカリ電解水は表面の汚れを落とすことは得意ですが、素材に浸透してカビの根を断つ力はありません

そのため、すでに発生してしまった頑固なカビには、塩素系漂白剤などの専用洗剤が必要になります。 アルカリ電解水は「カビ取り」ではなく「カビ予防」に適したアイテムと理解しておきましょう。

カビの「予防」には高い効果を発揮する

アルカリ電解水はカビの直接除去には向いていませんが、カビの「予防」には非常に高い効果を発揮します。 これこそが、アルカリ電解水をカビ対策に活用する最大のメリットです。

実際に行われた実験では、興味深い結果が報告されています。 食パンに水道水を吹きかけた場合、数日でカビが発生しました。 一方、アルカリ電解水を吹きかけた食パンには、カビが生えなかったのです。

この実験結果は、アルカリ電解水の高いpH値が防カビ効果を発揮していることを示しています。 pH11.5以上の強アルカリ性環境では、カビは成長することができないのです。

アルカリ電解水がカビ予防に効果的な理由は、大きく分けて3つあります。

アルカリ電解水がカビ予防に効く3つの理由

  • カビの栄養源となる油汚れやたんぱく質を分解する
  • 高いpH値でカビが成長できない環境を作る
  • 定期的な使用でカビ胞子の付着を防ぐ

つまり、アルカリ電解水は**「カビが生えにくい環境を作る」**ためのアイテムといえます。 普段から小まめにアルカリ電解水で掃除しておくことで、カビの発生を未然に防ぐことができるでしょう。

カビが発生する原因と健康被害


カビを効果的に予防するためには、まずカビが発生する原因を知ることが大切です。 ここでは、カビが成長する条件と、放置した場合の健康被害について詳しく解説します。

カビが成長する3つの条件

カビが発生し成長するには、3つの条件が揃う必要があります。 これらの条件を理解することで、効果的なカビ対策が見えてきます。

条件 詳細 具体例
栄養(汚れ) カビの成長に必要なエサ 油脂、たんぱく質、皮脂、石けんカスなど
温度 カビが活発になる温度帯 20〜30℃(特に25℃前後が最適)
湿気 カビが繁殖しやすい湿度 70%以上(80%以上で急速に繁殖)

カビは小さな胞子から始まり、植物のように発芽して成長します。 胞子が空気中を漂い、汚れ・温度・湿気が揃った場所に着地すると、そこで発芽して菌糸を伸ばしていくのです。

菌糸が十分に成熟すると、新たな胞子を作って空気中に放出します。 この胞子が別の場所に着地し、同じ条件が揃えばまたカビが発生するという悪循環が生まれます。

逆にいえば、3つの条件のうち1つでも取り除けば、カビの発生を防ぐことができるのです。 アルカリ電解水は「栄養(汚れ)」を取り除くことで、このサイクルを断ち切ります。

日常生活に潜むカビのリスク

カビの素となる胞子は、私たちが生活している空間の至るところに浮遊しています。 完全に排除することは不可能ですが、繁殖しやすい場所を知っておくことが大切です。

カビが発生しやすい場所

  • お風呂:高温多湿で石けんカスや皮脂が豊富
  • トイレ:湿気が多く、尿石や水あかが栄養になる
  • エアコン:内部に結露が発生し、ホコリがたまりやすい
  • 畳・押入れ:湿気がこもりやすく、換気が悪い
  • キッチン:油汚れや食べカスがカビの栄養に

これらの場所は、汚れ・温度・湿気の3条件が揃いやすい環境です。 特に日本は高温多湿な気候のため、梅雨時期や夏場はカビが発生しやすくなります。

「うちは清潔にしているから大丈夫」と思っていても、目に見えない汚れがカビの栄養源になっていることがあります。 定期的にアルカリ電解水で掃除をして、カビの栄養を取り除くことが予防につながるのです。

放置すると危険な健康被害

カビは見た目が悪いだけでなく、放置すると深刻な健康被害を引き起こす可能性があります。 「たかがカビ」と軽視せず、早めに対策することが大切です。

アレルギー症状や喘息の悪化

カビはアレルギー症状や喘息の原因になることがあります。 空気中に浮遊するカビの胞子を吸い込むことで、さまざまな症状が現れるのです。

カビが原因で起こりやすい症状

  • くしゃみ、鼻水、鼻づまり
  • 目のかゆみ、充血
  • 咳、喘息の悪化
  • 肌のかゆみ、湿疹

特に気管支炎喘息は、カビが原因で発症・悪化することが知られています。 吸い込んだカビが気管支を刺激して炎症を引き起こし、咳や胸の圧迫感などの症状が出ることがあるのです。

「最近、風邪をひきやすい」「咳が長引く」といった症状がある場合は、家の中のカビが原因かもしれません。 特に布団やカーペット、エアコンなど、直接体に触れるものや空気に関わる場所のカビには注意が必要です。

感染症や食中毒のリスク

カビは感染症や食中毒の原因にもなります。 特に免疫力が低下しているときは、重篤な症状につながる可能性があるため注意が必要です。

気管支肺アスペルギルス症

主に布団やカーペット、エアコンが発生源となる感染症です。 疲れがたまって免疫力が低下しているときに、カビを大量に吸い込むことで感染します。 主な症状は発熱、咳、呼吸困難で、カビによる健康被害としては世界中で最も多い感染例といわれています。

カビ毒(マイコトキシン)による食中毒

カビが作り出すカビ毒が原因で起こる食中毒です。 よくあるのが、カビが生えた食品のカビ部分を削って食べてしまうケースです。 一見カビがないように見えても、目に見えない小さなカビや毒素が残っている可能性があります。

カビの健康被害は、発症してからでは遅いことが多いです。 普段からカビが発生しにくい環境を作り、予防することが何よりも大切といえるでしょう。

アルカリ電解水がカビ予防に効果的な理由


ここからは、アルカリ電解水がなぜカビ予防に効果的なのかを詳しく解説します。 3つの理由を理解することで、より効果的にアルカリ電解水を活用できるようになるでしょう。

カビの栄養源となる汚れを分解する

アルカリ電解水がカビ予防に効果的な最大の理由は、カビの栄養源となる汚れを分解できる点にあります。

カビは油脂やたんぱく質などの汚れを「エサ」にして成長します。 アルカリ電解水はpH12以上の強アルカリ性を持っているため、これらの酸性汚れを強力に分解できるのです。

アルカリ電解水が分解できる汚れの例

  • 油汚れ(キッチンの油はね、換気扇の汚れなど)
  • 皮脂汚れ(手あか、足裏の汚れなど)
  • たんぱく質汚れ(食べこぼし、血液など)
  • 石けんカスの一部

アルカリ電解水の洗浄メカニズムは、中和反応と乳化作用の2つです。 酸性の汚れとアルカリ性の電解水が中和反応を起こし、汚れを浮かせて落としやすくします。 また、油脂を乳化させて分解する作用もあるため、油汚れに特に効果的です。

カビの栄養を断つことで、カビが成長できない環境を作ることができます。 定期的にアルカリ電解水で掃除をしておけば、カビの発生を未然に防ぐことができるでしょう。

除菌作用でカビ菌の繁殖を抑える

アルカリ電解水には、除菌作用でカビ菌の繁殖を抑える効果もあります。 これは、強アルカリ性のpH値がカビの生存環境を奪うためです。

先ほど説明したとおり、カビの生息範囲はpH1〜10です。 一方、アルカリ電解水のpH値は12〜12.5程度と、カビの生息範囲を大きく超えています。

物質 pH値 カビへの効果
重曹 8.2 カビの生息範囲内のため効果は限定的
セスキ炭酸ソーダ 9.8 カビの生息範囲内のため効果は限定的
アルカリ電解水 12〜12.5以上 カビが生息できない環境を作る

pH11.5以上の強アルカリ性環境では、カビは生存することができません。 アルカリ電解水で掃除をした表面は、一時的に高いpH値の環境になるため、カビ胞子が着地しても成長できないのです。

この防カビ効果は、先ほど紹介した食パンの実験でも実証されています。 化学薬品ではなく、アルカリ電解水の高いpH値そのものが防カビ効果を発揮しているのです。

塩素系洗剤と違い素材を傷めにくい

アルカリ電解水は、塩素系洗剤と比べて素材を傷めにくいというメリットがあります。 普段使いのカビ予防には、アルカリ電解水がおすすめです。

塩素系洗剤(カビキラー、ハイターなど)は、強力な酸化作用でカビを死滅させます。 しかし、この酸化作用は人間の皮膚や掃除対象の素材も傷める可能性があるのです。

項目 アルカリ電解水 塩素系洗剤
カビ除去力 △(予防向き) ◎(直接死滅)
素材へのダメージ 少ない 大きい
臭い 無臭 強い塩素臭
二度拭き 不要 必要
安全性 高い 取り扱い注意
頻繁な使用 ○(毎日OK) ×(素材が傷む)

アルカリ電解水は成分のほとんどが水でできているため、乾けば何も残りません。 二度拭きも不要で、毎日の掃除に気軽に使えるのが大きなメリットです。

一方、塩素系洗剤は頻繁に使うと素材が傷んでしまうため、最後の手段として使うのがおすすめです。 普段からアルカリ電解水でカビを予防し、頑固なカビが発生したときだけ塩素系を使うというのが賢い使い分けといえるでしょう。

場所別|カビ予防に効くアルカリ電解水の使い方


ここからは、場所別のアルカリ電解水の具体的な使い方を解説します。 それぞれの場所に適した掃除方法をマスターして、効果的にカビを予防しましょう。

お風呂のカビ予防と掃除方法

お風呂は高温多湿でカビが最も発生しやすい場所の一つです。 アルカリ電解水を活用して、カビの発生を未然に防ぎましょう。

お風呂でカビが発生しやすい場所

  • タイルの目地
  • 排水口周り
  • シャンプーボトルの底
  • バスマット
  • 天井や壁の角

アルカリ電解水を使ったお風呂のカビ予防手順

  1. 入浴後、シャワーで浴室全体の石けんカスや皮脂を洗い流す
  2. アルカリ電解水を壁や床、天井にまんべんなくスプレーする
  3. スポンジやブラシで軽くこすり洗いをする
  4. 水で洗い流し、水気を拭き取る
  5. 換気扇を回して浴室を乾燥させる

**ポイントは「入浴後すぐに掃除する」**ことです。 石けんカスや皮脂がカビの栄養源になるため、放置せずに早めに洗い流しましょう。

また、赤カビ(ピンクぬめり)を見つけたらすぐにアルカリ電解水で拭き取ることが大切です。 赤カビ自体は人体への影響が少ないのですが、黒カビの栄養源になるため、放置すると黒カビが発生しやすくなります。

トイレの赤カビ・黒カビ対策

トイレも湿気が多く、カビが発生しやすい場所です。 便器周りだけでなく、壁や床もしっかりとケアしましょう。

トイレでカビが発生しやすい場所

  • 便器の内側(特に水際)
  • タンクの内部
  • 壁紙(特に便器の背面)
  • 床と便器の隙間

赤カビの対処法

赤カビは、アルカリ電解水をスプレーして布で拭き取るだけで簡単に落とせます。 赤カビを見つけたら放置せず、すぐに拭き取ることが黒カビ予防につながります。

黒カビの対処法

黒カビの場合は、状況によって対処法が異なります。

  1. まずアルカリ電解水をカビとその周りにスプレーする
  2. 布やスポンジで汚れを拭き取る
  3. これでカビが落ちれば完了
  4. 落ちない場合は塩素系洗剤を使用する
  5. 黒カビを落とした後、再度アルカリ電解水で残りの汚れやカビ胞子を洗い流す

トイレの黒カビは、尿石などのアルカリ性の汚れと混ざっている場合があります。 この場合はアルカリ電解水では落とせないため、塩素系洗剤の使用が必要です。

エアコン内部のカビ防止

エアコンは内部に結露が発生しやすく、カビが繁殖しやすい場所です。 カビが発生したエアコンを使うと、部屋中にカビ胞子が拡散されてしまいます。

エアコンでカビが発生しやすい部分

  • フィルター
  • 熱交換器(フィン)
  • ファン(送風部分)
  • ドレンパン(水受け)

フィルターの掃除手順

  1. エアコンからフィルターを取り外す
  2. 掃除機でホコリを吸い取る
  3. フィルターの内側からシャワーをかけて細かいホコリを落とす
  4. アルカリ電解水をフィルター全体にスプレーする
  5. 5〜10分ほど放置して汚れを浮かせる
  6. 使い古した歯ブラシで優しくこすり洗いする
  7. 水でしっかりすすぐ
  8. タオルで水気を拭き取り、日陰で完全に乾かす
  9. 乾いたら元の位置にセットする

フィルター以外の部分(パネル、熱交換器、ファンなど)も、アルカリ電解水をスプレーして軽く擦れば、ホコリや黒カビなどの汚れが落ちます。

定期的にアルカリ電解水で掃除することで、カビが発生しにくい状態を維持できるでしょう。 なお、炭酸カリウムを電解質として使用したアルカリ電解水であれば、金属に不働態膜を形成してサビにくくする効果もあります。

畳や押入れの湿気対策

畳や押入れは湿気がこもりやすく、換気が悪いため、カビが発生しやすい場所です。 アルカリ電解水を活用して、カビを予防しましょう。

畳のカビ予防・掃除方法

  1. アルカリ電解水を畳全体にスプレーする
  2. 乾いた布で2〜3回丁寧に拭く
  3. 扇風機やサーキュレーターで畳をよく乾燥させる

畳には青カビ、黒カビ、赤カビなどさまざまな種類のカビが生える可能性があります。 アルカリ電解水で落ちない場合は、アルコールで汚れを浮かせてからアルカリ電解水で洗い流す方法を試してみてください。

押入れのカビ予防方法

  1. 押入れの中のものを全て出す
  2. 掃除機でホコリを吸い取る
  3. アルカリ電解水を布に吹きかけ、棚や壁を拭く
  4. 扇風機やサーキュレーターで押入れ内部を乾燥させる
  5. 除湿剤やすのこを活用して湿気対策をする

押入れは定期的に換気することが大切です。 天気の良い日に扉を開けて空気を入れ替え、湿気を逃がしましょう。

キッチン周りの防カビ習慣

キッチンは油汚れや食べカスがカビの栄養源になりやすい場所です。 日頃からアルカリ電解水で掃除する習慣をつけて、カビを予防しましょう。

キッチンでカビが発生しやすい場所

  • シンク周り(排水口、三角コーナー)
  • コンロ周り
  • 冷蔵庫のパッキン
  • 電子レンジの内部
  • まな板

キッチンの防カビ習慣

  • 調理後すぐにコンロ周りをアルカリ電解水で拭く
  • シンクを使ったら水気を拭き取る
  • 排水口は毎日アルカリ電解水をスプレーして除菌する
  • まな板は使用後にアルカリ電解水をスプレーして30秒放置、水で洗い流す
  • 冷蔵庫のパッキンは週1回アルカリ電解水で拭く

キッチンは**「汚れたらすぐに拭く」**という習慣が大切です。 油汚れや食べカスを放置すると、カビの栄養源になってしまいます。

アルカリ電解水は油汚れに強いため、キッチン掃除には最適なアイテムです。 二度拭き不要で手軽に使えるので、毎日の掃除に取り入れやすいでしょう。

アルカリ電解水でカビが落ちないケースと対処法


アルカリ電解水は万能ではなく、効果が出ないケースもあります。 ここでは、アルカリ電解水でカビが落ちない場合の原因と対処法を解説します。

根を張った頑固な黒カビには効果なし

根を張った頑固な黒カビには、アルカリ電解水では効果がありません。 これはアルカリ電解水の限界として、理解しておく必要があります。

黒カビは「クラドスポリウム」という真菌の一種で、素材の奥深くまで菌糸を伸ばす性質があります。 表面のカビを拭き取っても、目に見えない菌糸が残っていればすぐに再発してしまうのです。

アルカリ電解水は表面の汚れを落とすことは得意ですが、素材に浸透してカビの根を断つ力はありません。 そのため、以下のような状態のカビには効果が期待できません。

アルカリ電解水では落とせないカビの状態

  • タイルの目地に黒く染み込んだカビ
  • ゴムパッキンの奥まで入り込んだカビ
  • 長期間放置されて根を張ったカビ
  • 素材自体が変色してしまったカビ

このような頑固なカビには、塩素系漂白剤を使用する必要があります。 塩素系漂白剤は強力な酸化作用でカビの菌糸を分解し、根元から除去することができます。

水アカと一緒に発生したカビの落とし方

水アカやアルカリ性の汚れと一緒に発生したカビは、アルカリ電解水では落とせません。 これはアルカリ電解水の性質上、避けられない弱点です。

アルカリ電解水は酸性の汚れを中和して落とす仕組みで洗浄します。 しかし、水アカや石けんカス、尿石などはアルカリ性の汚れです。 アルカリ同士では中和反応が起きないため、汚れを分解することができません。

アルカリ電解水では落とせない汚れの例

  • 水アカ(蛇口、鏡、浴槽など)
  • 石けんカス(浴室の壁、床など)
  • 尿石(便器の内側など)

これらのアルカリ性の汚れと一緒に発生したカビは、以下の手順で対処しましょう。

水アカ+カビの対処手順

  1. まずアルカリ電解水をスプレーして、油汚れや皮脂汚れを落とす
  2. クエン酸水(酸性)を使って水アカを落とす
  3. それでもカビが残る場合は塩素系漂白剤を使用する
  4. 最後にアルカリ電解水で残りの汚れやカビ胞子を洗い流す

ポイントは、アルカリ性の汚れには酸性の洗剤を使うということです。 ただし、酸性洗剤と塩素系漂白剤を混ぜると有毒ガスが発生するため、絶対に同時に使用しないでください

塩素系漂白剤との正しい使い分け

アルカリ電解水と塩素系漂白剤は、それぞれ得意分野が異なります。 正しく使い分けることで、効果的なカビ対策ができるでしょう。

用途 アルカリ電解水 塩素系漂白剤
日常的なカビ予防 ◎ 最適 × 素材が傷む
軽い赤カビの除去 ◎ 簡単に落ちる ○ 落ちる
頑固な黒カビの除去 × 効果なし ◎ 根元から除去
水アカと絡んだカビ × 効果なし ◎ 分解できる
使用頻度 毎日OK 月1回程度が目安

使い分けの基本ルール

  • 普段使いはアルカリ電解水でカビを予防する
  • 頑固なカビが発生したら塩素系漂白剤で除去する
  • 塩素系漂白剤は最後の手段として使う
  • 塩素系使用後は、アルカリ電解水で仕上げ拭きする

塩素系漂白剤は強力ですが、頻繁に使うと素材が傷んでしまいます。 普段からアルカリ電解水でカビを予防しておけば、塩素系漂白剤を使う機会を減らすことができるでしょう。

アルカリ電解水を使う際の注意点


アルカリ電解水は安全性が高いアイテムですが、使用にあたっては注意すべき点もあります。 正しく安全に使うために、以下のポイントを押さえておきましょう。

使用できない素材を事前に確認する

アルカリ電解水は水が主成分ですが、使用できない素材があります。 誤って使用すると、変色や腐食の原因になるため注意が必要です。

アルカリ電解水を使用できない素材

素材 理由
アルミニウム アルカリ性に反応して腐食する
真鍮 変色や腐食の原因になる
アルカリ性で変色する
皮革製品 シミになる可能性がある
白木・無垢材 水が染み込んでシミになる
漆塗り コーティングが剥がれる
ニス・ワックス塗装面 コーティングが剥がれる
大理石(天然・人工) 素材を傷める
ガラス・液晶画面 コーティングが剥がれる場合がある

特に注意が必要なのは、塩化ナトリウム(塩)を電解質として使用したアルカリ電解水です。 このタイプは金属に使用するとサビの原因になる可能性があります。

金属製品を掃除する場合は、炭酸カリウムを電解質として使用した製品を選ぶとよいでしょう。 炭酸カリウム系のアルカリ電解水は、金属に不働態膜を形成してサビにくくする効果があります。

肌や目への刺激に注意する

アルカリ電解水はpH12以上の強アルカリ性のため、肌や目への刺激に注意が必要です。 水でできているから安全と油断せず、適切な対策をとりましょう。

肌への影響

人間の皮膚は酸性のたんぱく質でできています。 強アルカリ性のアルカリ電解水が皮膚に触れると、たんぱく質変性作用によって肌荒れを起こす可能性があります。

掃除の際はゴム手袋を着用することをおすすめします。 特に長時間の掃除や、頻繁にアルカリ電解水を使う場合は必須です。

目への影響

アルカリ電解水が目に入ると、痛みや炎症を引き起こす可能性があります。 高い場所や狭い場所でスプレーする際は、ゴーグルを着用すると安全です。

万が一目に入ってしまった場合は、すぐに大量の水で洗い流してください。 痛みや違和感が続く場合は、医療機関を受診しましょう。

直射日光を避けて保管する

アルカリ電解水は、保管方法によって効果が低下することがあります。 正しい保管方法を守って、効果を長持ちさせましょう。

アルカリ電解水の正しい保管方法

  • 直射日光を避ける:日光に当たると中性化が進む
  • 高温の場所を避ける:熱でpH値が低下する
  • 冷暗所で保管:涼しく暗い場所が最適
  • 早めに使い切る:開封後は効果が徐々に低下する

アルカリ電解水は時間が経つと中性化が進み、洗浄力が低下します。 これは「水に戻る」というアルカリ電解水の特性によるものです。

購入したらできるだけ早く使い切ることを心がけましょう。 大容量を買うよりも、使い切れるサイズを選ぶのがおすすめです。

まとめ


今回は、アルカリ電解水のカビへの効果と正しい使い方について詳しく解説しました。

結論

  • アルカリ電解水にはカビを直接死滅させる効果はない
  • しかし、カビの「予防」には非常に高い効果を発揮する
  • 普段使いはアルカリ電解水、頑固なカビには塩素系漂白剤を使い分ける

カビ発生の3条件

条件 対策
栄養(汚れ) アルカリ電解水で定期的に掃除
温度 換気や冷房で室温を下げる
湿気 換気・除湿で湿度を下げる

アルカリ電解水がカビ予防に効く理由

  • カビの栄養源となる油汚れやたんぱく質を分解する
  • pH12以上の環境でカビが成長できない
  • 素材を傷めにくく、毎日の掃除に使える

アルカリ電解水で落とせないカビ

  • 根を張った頑固な黒カビ
  • 水アカや石けんカスと絡んだカビ
  • 素材に深く入り込んだカビ

使用上の注意点

  • アルミ、真鍮、皮革、漆塗りなどには使用不可
  • ゴム手袋を着用して肌を保護
  • 直射日光を避けて冷暗所で保管

カビは放置すると健康被害を引き起こす危険性があります。 普段からアルカリ電解水でこまめに掃除をして、カビが発生しにくい環境を作りましょう。

アルカリ電解水と塩素系漂白剤を正しく使い分けることで、効果的なカビ対策が実現できます。 この記事を参考に、清潔で健康的な住環境を維持してください。

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