感染症対策への意識が高まるなか、除菌スプレーは私たちの暮らしに欠かせないアイテムとなりました。
ドラッグストアやスーパーの店頭には数多くの製品が並び、テレビCMでもさまざまな除菌グッズが紹介されています。
しかし、「除菌スプレーを使いすぎると体に悪いのでは?」「空間に噴霧しても大丈夫?」といった疑問を抱えている方も少なくないでしょう。
実際に、除菌スプレーの使い方を誤ると、人体に悪影響を及ぼす可能性があることをご存じでしょうか。
厚生労働省やWHO(世界保健機関)も、除菌剤の空間噴霧については注意喚起を行っています。
本記事では、除菌スプレーが人体に与える影響について科学的根拠にもとづいて解説します。
さらに、成分別の安全性や正しい選び方、そして健康被害を防ぐための使用方法まで詳しくお伝えしていきます。
ご家族の健康を守りながら効果的に除菌を行いたい方は、ぜひ最後までお読みください。
目次
除菌スプレーと人体への影響を正しく理解する

除菌スプレーを安全に使用するためには、まず基本的な知識を身につけることが大切です。
「除菌」「殺菌」「消毒」といった言葉の違いを正しく理解することで、製品選びの判断基準が明確になります。
また、なぜ空間噴霧が推奨されないのか、その科学的な理由を知ることで、人体への影響を最小限に抑えた使い方ができるようになるでしょう。
この章では、除菌スプレーと人体の関係について、基礎から丁寧に解説していきます。
除菌・殺菌・消毒の違いと効果の範囲
除菌スプレーを選ぶ際に、「除菌」「殺菌」「消毒」という表現の違いを理解しておくことは非常に重要です。
これらの用語は似ているようで、実は明確に定義が異なります。
| 用語 | 意味 | 使用できる製品 |
|---|---|---|
| 除菌 | 菌を取り除いて数を減らすこと | 洗剤・漂白剤・除菌スプレーなど |
| 殺菌 | 菌を殺すこと(程度は問わない) | 医薬品・医薬部外品のみ |
| 消毒 | 病原性のある微生物を無害化すること | 医薬品・医薬部外品のみ |
| 滅菌 | すべての微生物を完全に死滅させること | 医療器具など特殊用途 |
「殺菌」や「消毒」という表現は、薬機法により医薬品・医薬部外品にのみ使用が認められています。
そのため、一般的な家庭用製品の多くは「除菌」という表現を使用しているのです。
「除菌」は菌を減らして清潔度を高めるという意味であり、すべての菌を死滅させるわけではありません。
この点を誤解して、「除菌スプレーを使えば完全に無菌になる」と考えてしまうのは危険といえるでしょう。
市販の除菌スプレーは、あくまで菌の数を減少させて感染リスクを下げるためのアイテムです。
正しい期待値を持って使用することで、過度な使用による人体への負担を避けることができます。
また、除菌効果の範囲は製品の成分や濃度によって大きく異なることも覚えておきましょう。
たとえば、アルコール系の除菌スプレーは多くの細菌やウイルスに効果を発揮しますが、ノロウイルスには効きにくいという特性があります。
一方、次亜塩素酸ナトリウムはノロウイルスに有効ですが、金属を腐食させる性質があるため使用場所が限られます。
目的に応じて適切な製品を選ぶことが、効果的かつ安全な除菌につながるのです。
人体に対する空間噴霧が推奨されない理由
除菌スプレーを空間に噴霧して部屋全体を除菌したいと考える方は多いかもしれません。
しかし、この使用方法は人体に有害な可能性があるため、専門機関から推奨されていません。
その理由は、ウイルスや細菌を変性させる成分が、同時に人体の細胞にも悪影響を与えるおそれがあるからです。
ウイルスは生物ではないため、「殺す」ことはできません。
代わりに、ウイルスを構成するたんぱく質や脂質を「変性」させることで、感染力を失わせる仕組みになっています。
しかし、ウイルスのたんぱく質を変性させる効果がある成分は、人間の細胞膜を構成するたんぱく質や脂質にも作用してしまう可能性があるのです。
とくに注意が必要なのは、目・気管・気管支・肺といったデリケートな部位です。
口やのど、皮膚は日常的に外部の刺激にさらされているため比較的丈夫ですが、呼吸器の奥深くにある組織は非常に繊細にできています。
霧状になった除菌剤を吸い込むと、これらの組織がダメージを受ける危険性があるのです。
加湿器に除菌剤を入れて空間に拡散させたり、除菌ミストを浴びたりする行為は、一見すると手軽で効果がありそうに見えます。
しかし、このような使用方法は私たちの体の大切な細胞膜を変質させてしまうリスクをはらんでいます。
さらに、空間噴霧による除菌効果自体も科学的に証明されていません。
新型コロナウイルスの大きさは直径約0.1μm(マイクロメートル)で、髪の毛の太さの800分の1程度しかありません。
このような極めて小さな対象に対して、噴霧した除菌剤を正確に当てることは物理的に不可能です。
むしろ、噴霧の勢いでウイルスがさらに飛散してしまう可能性すらあるのです。
厚生労働省・WHOの公式見解
除菌剤の空間噴霧について、国内外の公的機関は明確に注意喚起を行っています。
WHO(世界保健機関)は、新型コロナウイルスに対する消毒に関する見解のなかで、「消毒剤を人体に対して空間噴霧することは、いかなる状況であっても推奨されない」と明言しています。
この見解は2020年5月に発表され、その理由として「肉体的にも精神的にも有害である可能性があり、感染者の飛沫や接触によるウイルス感染力を低下させることにはならない」と説明されています。
CDC(米国疾病予防管理センター)も同様に、「消毒剤噴霧は空気や環境表面の除染方法としては不十分であり、日常的な感染管理として推奨しない」との立場を示しています。
日本の厚生労働省もこれらの国際的な知見をふまえ、以下のような方針を公表しています。
- 消毒剤の空間噴霧は、人の眼や皮膚に付着したり吸い込んだりするおそれがある場所では推奨しない
- 「除菌」をうたう製品であっても、眼や皮膚への付着・吸入による健康影響のおそれがあるものは同様
- 消毒剤の有効かつ安全な空間噴霧方法について、科学的に確認された例はない
- 「空間噴霧用の消毒剤」として承認された医薬品・医薬部外品は存在しない
これらの公式見解からわかるように、空間除菌の効果は科学的に立証されておらず、むしろ健康被害のリスクがあるのです。
「空間除菌ができる」とうたう製品の広告を見かけることがありますが、その効果は公的機関によって認められたものではありません。
安全に除菌を行うためには、こうした誇大広告に惑わされないことが大切です。
吸入による健康被害のリスク
除菌剤の空間噴霧による健康被害は、実際に報告されています。
経済産業省が公表したファクトシートには、次のような事例が記載されています。
「職場でコロナ対策として次亜塩素酸を噴霧している環境で、目が痛くなり腫れてきた」という相談や、「加湿器に次亜塩素酸水を入れて噴霧したところ、呼吸困難になりそうになった」という報告があります。
このような健康被害が起こる理由は、除菌成分が呼吸器や粘膜に直接作用してしまうからです。
除菌剤を吸入した場合に考えられる主なリスクをまとめると、以下のようになります。
| 影響を受ける部位 | 起こりうる症状 |
|---|---|
| 目 | 痛み、腫れ、充血、最悪の場合は視力低下 |
| のど | 痛み、違和感、炎症 |
| 気管・気管支 | 咳、息苦しさ、気管支炎 |
| 肺 | 呼吸困難、肺炎様症状 |
| 皮膚 | かゆみ、発疹、かぶれ |
とくに危険なのは、密閉された空間で長時間にわたって除菌剤を噴霧し続けるケースです。
換気が不十分な状態で高濃度の除菌成分にさらされると、症状が重篤化するおそれがあります。
アレルギー体質の方や呼吸器に持病がある方は、より慎重な対応が必要でしょう。
子どもや高齢者は体の防御機能が弱いため、成人以上に影響を受けやすい点にも注意が必要です。
「除菌効果が高い製品ほど安心」と考えがちですが、病原体に強い効果を示す除菌剤は、同時に人体への毒性も高い傾向にあります。
空間に漂うウイルスが気になる場合は、除菌剤の噴霧ではなく、こまめな換気を行うことが最も安全で効果的な対策といえるでしょう。
アルコール系除菌剤が人体に与える影響
アルコール系の除菌スプレーは、最も広く普及している除菌製品のひとつです。
主成分であるエタノールは、お酒に含まれるアルコールと同じ成分であるため、少量が体にかかったり口に入ったりしても、重大な健康被害を起こすことは通常ありません。
ただし、除菌用のアルコールは飲料用とは比較にならないほど高濃度であるため、使用方法によっては人体に影響を与える場合があります。
アルコール系除菌剤の人体への主な影響は以下のとおりです。
- 皮膚への影響:頻繁な使用により皮脂が奪われ、手荒れや乾燥肌を引き起こすことがある
- アレルギー反応:アルコールに敏感な体質の方は、発疹やかゆみが出る場合がある
- 目への刺激:スプレーが目に入ると、強い痛みや炎症を起こす
- 呼吸器への影響:蒸気を大量に吸い込むと、気道を刺激することがある
- 引火の危険性:高濃度アルコールは引火性が高く、火気の近くでの使用は厳禁
とくに手指の消毒を頻繁に行う場合、皮膚のバリア機能が低下しやすくなります。
アルコールには脱脂作用があるため、皮膚を保護している皮脂膜が繰り返し除去されてしまうのです。
その結果、手荒れが悪化し、ひび割れやあかぎれを起こすこともあります。
皮膚に傷があると、そこから細菌が侵入しやすくなるため、かえって感染リスクが高まる可能性もあるでしょう。
手指消毒用のアルコール製剤には、保湿成分が配合されているものも多くあります。
頻繁に使用する場合は、このような製品を選ぶことで肌への負担を軽減できます。
また、アルコールは揮発性が高いため、密閉空間で大量に使用すると蒸気が充満する点にも注意が必要です。
使用時には十分な換気を心がけ、目や鼻に直接スプレーが当たらないよう気をつけましょう。
除菌スプレーの主な成分と人体への安全性

除菌スプレーにはさまざまな成分が使用されており、それぞれに特徴と注意点があります。
製品を選ぶ際には、成分の特性を理解したうえで、使用目的や環境に合ったものを選ぶことが大切です。
この章では、代表的な除菌成分について、人体への安全性という観点から詳しく解説していきます。
アルコール(エタノール)系の特徴と注意点
アルコール系除菌スプレーは、エタノールやイソプロパノールを主成分としています。
多くの細菌やウイルスに対して即効性のある除菌効果を発揮し、揮発性が高いため使用後に拭き取る手間がかからないのが特徴です。
アルコール系除菌スプレーの特徴を表にまとめると、以下のようになります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 主な成分 | エタノール、イソプロパノール |
| 推奨濃度 | 70〜80%(ウイルス対策の場合) |
| 効果がある対象 | エンベロープウイルス(インフルエンザ、コロナなど)、一般細菌 |
| 効果が薄い対象 | ノロウイルス、ロタウイルスなどのノンエンベロープウイルス |
| 速乾性 | 高い |
| 残留性 | 低い(揮発するため残りにくい) |
アルコール系の除菌スプレーを選ぶ際は、濃度の確認が重要なポイントになります。
一般的な製品のアルコール濃度は30〜40%程度ですが、ウイルス対策を目的とする場合は70%以上の濃度が推奨されています。
ただし、濃度が高すぎると肌への刺激も強くなるため、用途に応じた選択が必要です。
手指消毒用として使用する場合は、頻繁な使用による肌荒れを防ぐために、保湿成分が配合された製品を選ぶとよいでしょう。
また、アルコールに弱い体質の方は、使用時にマスクや手袋を着用することをおすすめします。
食品を扱うキッチン周りでの使用には、食品添加物グレードのエタノール製剤が適しています。
このタイプの製品は、万が一口に入っても安全性が確認されているため、まな板や包丁、調理台の除菌に安心して使用できます。
次亜塩素酸ナトリウムの効果と取り扱い
次亜塩素酸ナトリウムは、家庭用塩素系漂白剤の主成分としてよく知られている除菌成分です。
強力な酸化作用によってウイルスや細菌を不活化させる効果があり、ノロウイルスやロタウイルスなど、アルコールでは除菌しにくい病原体にも有効です。
ただし、その強力な効果ゆえに、人体への影響も大きいため、取り扱いには十分な注意が必要です。
次亜塩素酸ナトリウムを使用する際の注意点は以下のとおりです。
- 原液のまま使用しない(必ず適切な濃度に希釈する)
- 皮膚や目に付着しないよう注意する
- 使用時はゴム手袋を着用する
- 十分な換気を行いながら使用する
- 酸性の製品と混ぜない(有毒な塩素ガスが発生する)
- 金属製品には使用しない(腐食のおそれがある)
- スプレーボトルでの噴霧は避ける
厚生労働省は、次亜塩素酸ナトリウムを使用した除菌について、0.05%の濃度に希釈して拭き掃除に使用することを推奨しています。
この濃度は、市販の塩素系漂白剤(原液濃度約5〜6%)を水で100倍に薄めることで調整できます。
使用後は必ず水拭きを行い、成分が残らないようにすることも大切です。
次亜塩素酸ナトリウムは直接肌に触れると、かぶれや炎症を起こす可能性があります。
目に入った場合は重篤な障害を引き起こすおそれがあるため、使用時には保護メガネの着用も検討しましょう。
また、「次亜塩素酸ナトリウム」と「次亜塩素酸水」は名前が似ていますが、まったく異なる物質です。
次亜塩素酸ナトリウムを水で薄めても次亜塩素酸水にはならないため、混同しないよう注意してください。
次亜塩素酸水の安全性と使用上の注意
次亜塩素酸水は、塩酸や食塩水を電気分解することで生成される、次亜塩素酸を主成分とする水溶液です。
食品添加物としても認められており、カット野菜の洗浄などにも使用されています。
次亜塩素酸ナトリウムよりも人体への刺激が少ないとされ、「安全な除菌剤」として注目を集めました。
しかし、次亜塩素酸水の使用については、いくつかの重要な注意点があります。
| 注意点 | 詳細 |
|---|---|
| 有効性の問題 | 新型コロナウイルスに対する有効性は条件によって異なる |
| 濃度の変化 | 保存状態によって濃度が低下しやすい |
| 製品の品質 | 製法や濃度が明記されていない製品が多い |
| 空間噴霧 | 人がいる空間での噴霧は推奨されない |
| 使用期限 | 製造日や使用可能期間が不明確な製品がある |
経済産業省の調査によると、市販されている次亜塩素酸水製品のなかには、製法や原料、濃度が明記されていないものが多く存在することがわかっています。
また、「食品添加物だから人体に安全」という誤った宣伝をしている製品もあるとして、注意喚起が行われています。
食品添加物として使用される場合でも、最終食品に残留しないよう除去することが前提となっているのです。
次亜塩素酸水を効果的に使用するためには、十分な量の液体を使い、対象物に直接接触させることが重要です。
霧状にして空間に噴霧しても、除菌効果は科学的に立証されていません。
むしろ、噴霧によって吸い込んだ場合の健康影響が懸念されています。
次亜塩素酸水を購入する際は、製造方法、有効塩素濃度、製造日、使用期限などが明記された製品を選ぶことをおすすめします。
また、保存状態によって効果が低下しやすいため、使用期限内であっても早めに使い切るようにしましょう。
天然由来成分を使用した製品の特性
近年、化学物質に頼らない天然由来成分を使用した除菌スプレーが注目を集めています。
植物の葉や種子から抽出したエキス、緑茶カテキン、柿タンニンなどを配合した製品は、人体への刺激が少ないことが特徴です。
赤ちゃんやペットがいるご家庭、化学物質に敏感な方にとって、魅力的な選択肢といえるでしょう。
天然由来成分の除菌スプレーに使用される代表的な成分は以下のとおりです。
- 緑茶エキス(カテキン):抗菌作用があり、消臭効果も期待できる
- 柿タンニン:悪臭成分を中和する効果がある
- グレープフルーツ種子エキス:天然の抗菌成分として使用される
- ティーツリーオイル:オーストラリア原産の植物から抽出される抗菌成分
- ユーカリエキス:清涼感のある香りとともに抗菌作用がある
天然由来成分100%の製品であれば、万が一口に入っても比較的安全とされています。
小さなお子さんがいるご家庭では、おもちゃや床など、子どもが触れたり舐めたりする可能性がある場所の除菌に適しています。
ただし、天然由来成分の製品にもいくつかの注意点があります。
まず、アルコール系や塩素系の製品と比較すると、除菌効果がおだやかである点が挙げられます。
強力なウイルス対策を必要とする場面では、効果が不十分な場合もあるでしょう。
また、植物由来であっても、特定の成分にアレルギーがある方は反応を起こす可能性があります。
初めて使用する際は、目立たない部分で試してから本格的に使用することをおすすめします。
香りがある製品も多いため、ペットに使用する場合は、動物が嫌がらないか確認することも大切です。
人体に配慮した除菌スプレーの選び方

除菌スプレーを選ぶ際は、「どれが一番除菌効果が高いか」という視点だけでなく、「自分や家族にとって安全か」という視点も重要です。
使用する場所や対象、家族構成によって最適な製品は異なります。
この章では、人体への影響を考慮した除菌スプレーの選び方について、具体的なポイントを解説していきます。
用途別に適した成分を見極める
除菌スプレーは、使用する場所や目的によって最適な成分が異なります。
「万能な除菌スプレー」を1本だけ用意するのではなく、用途に応じて使い分けることで、より安全かつ効果的な除菌が可能になります。
用途別のおすすめ成分を表にまとめました。
| 使用場所・目的 | おすすめの成分 | 理由 |
|---|---|---|
| キッチン・調理器具 | アルコール(食品添加物グレード) | 食品に触れても安全、速乾性が高い |
| ドアノブ・スイッチ | アルコールまたは第四級アンモニウム塩 | 頻繁に触れる場所に適している |
| 衣類・布製品 | 第四級アンモニウム塩系 | 布を傷めにくく、消臭効果もある |
| 赤ちゃん用品 | 天然由来成分またはアルカリ電解水 | 肌への刺激が少ない |
| トイレ・浴室 | 次亜塩素酸ナトリウム(希釈) | カビや頑固な菌に効果的 |
| ノロウイルス対策 | 次亜塩素酸ナトリウム | アルコールでは効果が薄いウイルスに有効 |
このように、用途に応じて適切な製品を選ぶことで、除菌効果を最大限に発揮しながら、人体への影響を最小限に抑えることができます。
製品を購入する際は、パッケージに記載されている成分表示と使用目的をよく確認するようにしましょう。
「○○にも使える」という表示があっても、最適な用途とは限らない場合があります。
迷ったときは、専門店のスタッフに相談するか、メーカーの問い合わせ窓口に確認することをおすすめします。
キッチン・食品周りに適した製品
キッチンや食品を扱う場所での除菌スプレー選びは、とくに慎重に行う必要があります。
調理器具やまな板に使用した成分が食品に移行する可能性があるため、口に入っても安全な製品を選ぶことが重要です。
キッチン用除菌スプレーを選ぶ際のポイントは以下のとおりです。
- 「食品添加物」または「食品衛生法適合」の表示があるものを選ぶ
- エタノール濃度70%前後の製品が効果と安全性のバランスが良い
- 余計な香料や着色料が入っていないものが望ましい
- 二度拭き不要タイプだと手間が省ける
- スプレー後の残留成分が少ない揮発性の高い製品がおすすめ
食品添加物グレードのアルコール製剤は、万が一食品に付着しても安全性が確認されています。
代表的な製品としては、ドーバーの「パストリーゼ77」などがあり、医療機関や飲食店でも広く使用されています。
このタイプの製品は、調理前のまな板や包丁の除菌、調理後の作業台の清掃、生鮮食品の保存性向上など、幅広い用途に活用できます。
一方で、塩素系の除菌剤はキッチンでの使用には注意が必要です。
次亜塩素酸ナトリウムは強力な除菌効果がありますが、食品に直接使用することは適していません。
使用する場合は、十分にすすぎ洗いを行い、成分が残留しないようにすることが大切です。
衣類・布製品向けの製品
衣類やソファ、カーペットなどの布製品に使用する除菌スプレーは、繊維を傷めにくい成分のものを選ぶ必要があります。
また、衣類は直接肌に触れるため、肌への刺激が少ない製品であることも重要なポイントです。
布製品用の除菌スプレーに求められる特性は以下のとおりです。
- 繊維を傷めない成分であること
- 色落ちや変色を起こしにくいこと
- 速乾性があり、べたつかないこと
- 消臭効果が付いていると便利
- 肌に触れても刺激が少ないこと
市販の布製品用除菌スプレーには、第四級アンモニウム塩系の成分を使用したものが多くあります。
ファブリーズやリセッシュなどの人気製品は、除菌と消臭を同時に行えるため、スーツやコートなど頻繁に洗えない衣類のケアに適しています。
ただし、アルコール濃度が高い製品を布製品に使用する際は注意が必要です。
一部の素材では、アルコールによって色落ちや変色が起こる可能性があります。
とくにシルクやレーヨンなどのデリケートな素材には、アルコール系の除菌スプレーの使用は避けたほうが無難です。
新しい製品を使用する際は、目立たない部分で試してから全体に使用することをおすすめします。
また、布団や枕など、顔に近い場所で使用するものには、できるだけ刺激の少ない製品を選びましょう。
赤ちゃんやペットがいる家庭での製品選び
小さなお子さんやペットがいるご家庭では、除菌スプレーの選び方にとくに気を配る必要があります。
赤ちゃんは何でも口に入れる傾向があり、ペットは床を舐めたり体を舐めたりする習性があるため、万が一体内に入っても安全な製品を選ぶことが重要です。
赤ちゃんやペットがいる家庭での除菌スプレー選びのポイントをまとめました。
| 対象 | 選び方のポイント | 避けたほうがよい製品 |
|---|---|---|
| 赤ちゃん用品 | 天然由来成分、アルカリ電解水など口に入っても安全なもの | 高濃度アルコール、塩素系 |
| ペット用品 | 無香料または天然精油使用、舐めても安全なもの | 強い香りの製品、エッセンシャルオイル(猫には要注意) |
| 共有スペース | 速乾性が高く残留しにくいもの | 乾くのに時間がかかる製品 |
赤ちゃんのおもちゃや哺乳瓶、歯がためなどを除菌する場合は、食品添加物グレードの製品か、アルカリ電解水を使用した製品がおすすめです。
これらの製品は、成分が残留しても安全性が高いため、すすぎ洗いが不要なものも多くあります。
ペットがいるご家庭では、香りにも注意が必要です。
人間には心地よい香りでも、嗅覚が敏感な動物にとっては不快に感じる場合があります。
とくに猫は、一部のエッセンシャルオイルに対して代謝能力が低く、中毒を起こす可能性があるため、天然由来の香料であっても慎重に選ぶ必要があります。
無香料タイプの製品を基本として、必要に応じてペット用に開発された製品を使用するとよいでしょう。
安全性試験の確認ポイント
除菌スプレーの安全性を判断する際には、メーカーが公表している安全性試験の結果を確認することが有効です。
信頼できる製品は、第三者機関による各種試験を実施し、その結果を公開しています。
確認すべき主な安全性試験は以下のとおりです。
- 急性経口毒性試験:誤って飲み込んだ場合の毒性を評価
- 急性吸入毒性試験:吸い込んだ場合の毒性を評価
- 皮膚一次刺激性試験:肌に触れた際の刺激を評価
- 眼刺激性試験:目に入った場合の刺激を評価
- 皮膚感作性試験:アレルギー反応を起こす可能性を評価
- パッチテスト:人の肌での安全性を確認
これらの試験結果は、製品のパッケージやメーカーのホームページで確認できる場合があります。
試験結果が公表されていない製品や、安全性に関する情報が不十分な製品は、購入を避けたほうが賢明でしょう。
また、医薬品や医薬部外品として承認を受けている製品は、一定の安全性基準をクリアしていることを意味します。
手指消毒用のアルコール製剤などは、「指定医薬部外品」の表示があるものを選ぶと安心です。
一方で、雑貨品として販売されている除菌スプレーは、法律による安全性基準が厳しくないため、製品ごとの品質にばらつきがある点に注意が必要です。
購入前にはレビューや口コミも参考にしつつ、信頼できるメーカーの製品を選ぶようにしましょう。
人体への影響を最小限にする正しい使用方法

除菌スプレーは、正しい方法で使用することで、その効果を最大限に発揮しながら人体への影響を抑えることができます。
逆に、誤った使い方をすると、期待した除菌効果が得られないばかりか、健康被害を招くおそれもあります。
この章では、安全かつ効果的な除菌スプレーの使用方法について詳しく解説していきます。
物品用と手指用の使い分け
除菌スプレーには、「物品用」と「手指用」があり、それぞれ成分や配合が異なっています。
この区別を理解せずに使用すると、肌荒れなどのトラブルを起こす原因になるため、必ず用途に合った製品を使用することが大切です。
物品用と手指用の主な違いは以下のとおりです。
| 項目 | 物品用 | 手指用 |
|---|---|---|
| 主な用途 | テーブル、ドアノブ、調理器具など | 手のひら、指先 |
| 成分の特徴 | 除菌効果を重視した配合 | 保湿成分や保護成分を配合 |
| 肌への刺激 | 比較的強い場合がある | 肌に優しい設計 |
| 使用上の注意 | 直接肌に触れないようにする | 手荒れがひどい場合は使用を控える |
| 分類 | 雑貨品が多い | 医薬部外品や化粧品が多い |
物品用の除菌スプレーを手指に使用すると、皮膚に必要な油分が過度に奪われ、手荒れを引き起こすことがあります。
とくに塩素系の成分が含まれている製品を肌に直接使用すると、かぶれや炎症を起こすおそれがあるため、絶対に避けてください。
手指用の製品には、グリセリンやヒアルロン酸などの保湿成分が配合されていることが多く、頻繁に使用しても肌への負担が軽減されるよう設計されています。
製品を購入する際は、パッケージに記載されている「使用目的」や「使用方法」をよく確認し、用途に合った製品を選ぶようにしましょう。
換気と適切な使用量の目安
除菌スプレーを使用する際は、十分な換気を行うことが健康被害を防ぐうえで非常に重要です。
密閉された空間でスプレーを使用すると、揮発した成分が室内に充満し、吸い込んでしまうリスクが高まります。
安全に除菌スプレーを使用するための換気と使用量の目安は以下のとおりです。
- 使用前に窓やドアを開けて空気の流れをつくる
- 換気扇がある場合は作動させる
- 一度に大量に噴霧しない
- スプレー後はしばらく換気を続ける
- 締め切った車内での使用は避ける
- 地下室や窓のない部屋では使用を控える
適切な使用量については、製品によって異なりますが、「対象物が軽く湿る程度」が目安となります。
過度に大量のスプレーを使用しても、除菌効果が比例して高まるわけではありません。
むしろ、蒸気を吸い込むリスクや、乾燥に時間がかかることによる問題が生じる可能性があります。
手指消毒用のアルコール製剤の場合、1回あたりの使用量の目安は、スプレータイプで3ml以上(約2プッシュ)、ジェルタイプで1.5〜2ml(約1プッシュ)とされています。
これを手のひら全体と指の間、爪の周りまでまんべんなく塗り広げ、15秒以上かけてすり込むことで高い除菌効果が得られます。
アルコールは揮発性が高いため、使用後すぐに乾くのが正常です。
使用量が適切であれば、15〜30秒程度で乾きます。
肌が弱い方・アレルギー体質の方への配慮
敏感肌の方やアレルギー体質の方は、除菌スプレーの使用に際してとくに慎重な対応が必要です。
一般的な製品でも刺激を感じやすい場合があるため、自分の肌に合った製品を見つけることが大切です。
肌が弱い方やアレルギー体質の方におすすめの対処法は以下のとおりです。
| 状況 | 対処法 |
|---|---|
| 手荒れが起きやすい | 保湿成分配合の手指消毒剤を選ぶ、使用後にハンドクリームを塗る |
| アルコールに敏感 | ノンアルコールタイプの除菌スプレーを使用する |
| 香料にアレルギーがある | 無香料タイプを選ぶ |
| 皮膚に傷がある | 傷のある部分への使用を避ける |
| 過去に製品でかぶれた | パッチテストを行ってから使用する |
物品の除菌を行う際は、直接手で触れないようにゴム手袋を着用することをおすすめします。
手袋を使用することで、除菌成分と肌の接触を避けながら、効果的に除菌作業を行うことができます。
また、スプレーを噴霧する際はマスクを着用すると、吸い込みによる刺激を軽減できます。
アレルギー体質の方は、新しい製品を使用する前に、必ず目立たない部分でパッチテストを行いましょう。
腕の内側などの皮膚の薄い部分に少量を塗り、24時間様子を見て、異常がなければ使用を開始するという方法です。
使用中に赤み、かゆみ、腫れなどの症状が現れた場合は、すぐに使用を中止し、症状が重い場合は医療機関を受診してください。
効果を高める拭き掃除との併用
除菌スプレーの効果を最大限に引き出すためには、拭き掃除との併用が効果的です。
単にスプレーを噴霧するだけでは、十分な除菌効果が得られない場合があります。
正しい拭き掃除の方法を身につけることで、安全かつ効果的な除菌が可能になります。
除菌効果を高める正しい手順は以下のとおりです。
- まず対象物の表面についたホコリや汚れを取り除く
- 除菌スプレーを清潔な布やペーパータオルに吹きかける
- 対象物を一方向に向かって拭く(往復させない)
- 必要に応じて仕上げの乾拭きを行う
この方法が推奨される理由は、除菌剤は対象物に直接触れることで効果を発揮するためです。
汚れが残った状態でスプレーしても、除菌成分が汚れに阻まれて、本来の効果を発揮できません。
また、空間に向かって噴霧するだけでは、除菌剤が対象物に十分に接触しないため、効果は限定的です。
拭く際に往復させないのは、一度拭き取った汚れや菌を再び対象物に付着させないためです。
一方向に拭くことで、効率よく菌を除去することができます。
とくに、ドアノブや電気のスイッチ、リモコンなど、人の手が頻繁に触れる場所はこまめに拭き掃除を行うことで、効果的な感染対策になります。
床や広い範囲を除菌する場合も、モップや雑巾を使った湿式清掃が基本です。
除菌剤を空間に噴霧するよりも、布に染み込ませて拭く方が、はるかに確実で安全な除菌方法といえるでしょう。
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アルカリ電解水は、お掃除に万能な洗浄剤として注目されています。
中でも、マイヘルパーION MAXは、高品質なアルカリ電解水として人気の商品です。
マイヘルパーION MAXは、pH12.5の強力なアルカリ性を持つ「水」です。
苛性ソーダなどの危険性のあるアルカリではなく、電子イオンをたくさん持った特殊なイオン水のため、科学火傷や皮膚刺激はありません。
また、「水」であるため、小さなお子様やペットのいるところでも安心して使用できます。
マイヘルパーION MAXは、強力な洗浄力を持っています。
アルカリイオンが汚れと物体の間に素早く浸透・付着し、付着した汚れの周りと物体の表面は、マイナスイオン同士の働きで反発しあって汚れが取れます。
さらに、マイヘルパーION MAXは、除菌・消臭効果も期待できます。
pH12.5の強アルカリ性のため、大腸菌をはじめノロウイルスを不活化する効果があります。
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マイヘルパーION MAXは、環境に優しい洗浄剤でもあります。
優れた洗浄力を発揮しながらも、”水”だから環境汚染がゼロ。
自然の力を最大限に発揮した人と環境に優しい商品です。
まとめ

本記事では、除菌スプレーと人体の関係について、さまざまな角度から解説してきました。
ここで、重要なポイントをあらためて整理しておきましょう。
除菌スプレーを安全に使用するための要点は以下のとおりです。
- 除菌剤の空間噴霧は、厚生労働省やWHOなどの公的機関から推奨されていない
- 空間噴霧による除菌効果は科学的に立証されておらず、吸入による健康被害のリスクがある
- 除菌スプレーは成分によって効果や安全性が異なるため、用途に応じた使い分けが重要
- 赤ちゃんやペットがいる家庭では、とくに安全性の高い製品を選ぶ必要がある
- 物品用と手指用は成分が異なるため、用途に合った製品を使用する
- 正しい除菌方法は、布に吹きかけて一方向に拭くこと
- 空間のウイルス対策には、除菌剤の噴霧ではなくこまめな換気が効果的
除菌スプレーは、正しく使えば感染リスクを下げる有効なアイテムです。
しかし、誤った使い方や過度な使用は、かえって健康を損なう原因になりかねません。
「たくさん使えば安心」「空間に噴霧すれば効果がある」といった思い込みを捨て、科学的な根拠にもとづいた使用方法を心がけることが大切です。
製品を選ぶ際は、成分や使用目的をよく確認し、ご自身やご家族の状況に合ったものを選んでください。
安全性試験の結果が公表されている製品や、信頼できるメーカーの製品を選ぶことも、安心して使用するためのポイントとなります。
日々の除菌対策は、手洗い・換気・拭き掃除といった基本的な方法を中心に行い、除菌スプレーはそれを補完するものとして活用しましょう。
正しい知識をもとに適切な除菌を行うことで、ご家族みなさまの健康を守ることができます。
